不動産を賃貸するときには、初期費用が必要になります。住宅の場合、最初に用意しなければならないのは、敷金、礼金と最初の家賃、それから仲介会社への仲介手数料が一般的です。
敷金、礼金には地域による慣行の違いがあるようですが、例えば、東京の場合、以前は敷金が家賃の2か月、礼金2か月、前家賃と、仲介料が、同じく家賃の1か月分で、月額の家賃の約6か月分が必要でした。これらのうち、敷金は預けているお金で、体質時は貸してもらえるのが原則ですが、最初に大金が必要なこちに変わりはありません。 最近では、敷金や礼金が1か月でよかったり、仲介料は0.5か月でいい不動産会社も現れたりと、以前に比べるとやや敷居が低くなってきています。
ところで、賃貸契約で、賃料と管理費が分かれていることがあり、月々の支払いはこの合計額ですが、敷金、礼金、仲介料の計算ベースはすべて賃料だけが対象になります。管理費は、月額3千円から1万円程度の場合が多いですが、この分がそれらの不随費用の計算対象に入るか入らないかで金額には違いが出てきます。もしも、家賃について交渉の余地があるならば、管理費を安くしてもらうよりは賃料を安くしてもらうほうがお得です。
どんな不動産屋が信頼できるかを調べる方法はいろいろありますが、まず考えられますのは小規模の地域に根差した事業者です。中には、土地建物の取引時にだけ開業するような片手間の事業者も多いようですが、工務店や建築事務所に問い合わせますと、信頼できるかどうかを知ることができます。
地域に根差した工務店や建築事務所には、2級1級建築士が在籍し実績を伸ばしており、このような人たちに聞けば、信頼できるいわゆる不動産屋を確かめることができます。とはいえやはり最も信頼できるのは中規模の事業所で、土地建物の取引の他、賃貸の一軒家・アパート・マンションを取り扱っています。しかも、ただ取引や取り扱いをするのみではなく、例えば水回りや電気などの不具合を、関係事業所と連絡を取り合いながら世話をするというこまめさを持っています。
新築の建物やマンションを取り扱う大規模の事業所については、傘下に小中規模の事業所と提携している場合もあり、一概に大味といえない面があります。ただし、小回りが利かないというデメリットがあることは否めません。小・中・大規模といろいろな事業者がいますが、土地取引とともに建物建築を行うのであれば、その建築と連動した事業者を選ぶ必要があります。加えて、住んだ後のアフターケアをどこまで依頼できるか、これが選ぶポイントになるでしょう。
不動産売買業者は登録免許制であり、開業するには宅建業法で規定された規定を満たしていなければならない為、開業している不動産会社は全て正規の業者ではあるのですが、優良な不動産業者がある一方で、残念なことに悪徳業者も存在しています。
優良な不動産業者とそうでない悪徳不動産業者を見分ける方法がいくつかあるのですが、その1つが会社の歴史の長さです。不動産業者を長く続けていく為には評判の良さということは非常に大切なものです。大手の不動産業者でも地域密着型の小さな不動産業者でも評判の悪い会社は廃れていく傾向にあります。
その為、歴史の長い不動産業者は比較的安心して利用できる業者だということが言えます。しかし、実際には新しくできたばかりの不動産売買業者にも良い業者は沢山あります。会社の歴史の長さだけを判断基準にしていては、もっと良い業者を見逃してしまうこともあり得ます。歴史の長い会社はもちろんですが、新しい会社では特に担当者の対応に注意を向けることでその会社の雰囲気をある程度掴むことができます。
不動産業者は不動産のプロですから、客の質問に答えられなかったり、ぞんざいな対応をしてくる場合はその業者は利用しないほうが賢明です。後になって後悔することが無いように余裕をもって利用する不動産売買業者を選ぶことが大切です。
取材協力:三ツ境の不動産業者メイファーストさま
日本は現在、徐々に人口が減少している傾向にあります。少子高齢化である今の状況から、今後さらに人口は減っていくと予想できます。
人口が減ることによる影響は様々です。若年層の国民が少なくなれば労働力や生産性が低下します。また、消費者が減ることにより、サービスを利用する方も少なくなります。
不動産会社においても同様のことが言えます。生活の根幹を担う「衣食住」の1つであるとはいえ、人口が減少することにより住む家を探す方も少なくなるでしょう。
一方で、家は人が生活を送るうえで欠かせないものであることも事実です。不動産会社のニーズが完全になくなるとは考えられません。不動産会社にとって重要になるのは、他の会社よりもサービスの質を高め、利用したいと思われる会社になることです。
提供するサービスの質を高めるためには、不動産会社を利用する方のニーズにあわせたサービスの提供が必要です。今後、顧客からのニーズが高まると予想されている事柄を以下で紹介します。自社のサービスに取り入れることで、今より人口が減少した将来も必要とされる不動産会社になるでしょう。
今後のニーズに沿ったサービスを提供するにあたっては、とりわけ以下の2点に配慮することが求められます。
ニーズの高い物件といえば1Rや1K、LDKの間取りと決まっていますが、近年は他に特徴的な物件も求められています。高齢者への暮らしやすさに配慮した高齢者住宅が一例です。これは、高齢者が増加していることに起因します。
また、東日本大震災をきっかけに、震災や火災に対して危機感を持つ方が増えています。このことから耐震性や防火性を重視して物件を選ぶ方もいます。
実際に会社に足を運んだ顧客に対しては、不動産会社のスタッフから特殊な物件を紹介することができます。しかし、物件を探している多くの方は、まずポータルサイトを見る傾向にあります。とりわけニーズがある一般的な物件に限定して情報を挙げるよりは、掲載する物件を多様化することによって、多くの方からのサービスの利用を見込めます。
新型コロナウイルス感染症をきっかけに、オンラインでの接客を行う不動産会社が増えました。オンラインでの接客には、顧客にとって感染症を予防する他にもメリットがあります。
例えば、日々仕事や家事、育児に追われてまとまった時間がとれない方にとって、内見のために不動産会社に足を運ぶことは困難です。しかし、オンラインで内見ができるのであれば、実際に不動産会社に行くよりも短時間で内見を済ませることができます。
そのため、近年はVRを利用するなど、遠方にいても内見ができるサービスのニーズが高まっています。こちらのようなVRコンテンツを作成するサービスを利用して、オンラインでの内見に対応することが勧められます。内見に限らず、物件の紹介から契約までをオンラインで対応している事例もあります。
求められるサービスを提供するにあたって重要となるのは顧客のニーズを把握することです。そのニーズに関しては、時代や社会情勢によっても大きく変わるため、常にアンテナを張りリサーチを徹底することが大切です。